採取地域により原料の品質に違いがあります

 私たちが日ごろよく口にするお茶やウーロン茶は一般的に茶の樹の葉部を使用し、それぞれに加工した製品ですが、一般的にタヒボ茶と呼ばれるこの健康茶「タヒボNFD」は南米アマゾン川流域に自生するノウゼンカズラ科の樹木、タベブイア・アベラネダエ(通称:タヒボ)の内部樹皮を使用した健康茶です。葉部と違い内部樹皮を採取するには樹木を伐採しなくてはならず、内部樹皮の量は一本の樹木からもごく少量しか採取することが出来ません。
南米アマゾン地域にはタヒボ茶の原料となるタベブイア属樹木以外にも類似種が多種存在し、それらは昔からそれぞれの地域に暮らす人々によって利用されてきました。しかし各樹木が人体に及ぼす作用などは経験や言い伝えに頼るところが大きく、科学的に調査・研究が行われることはありませんでした。
タヒボNFD」は、南米植物学の第一人者・アコーシ博士(1912〜2006)によって有用成分が多く含有されることが科学的に確認された樹種の内部樹皮のみを使用しています。原料として使える種類は数多いタベブイア種の樹木の中でもごく僅かです。地球温暖化による影響やブラジルに急速な経済発展を背景に自生地を取り巻く自然環境は危うい状況にあります。貴重な天然資源保護のために現在は伐採地は公表しておりません。また伐採地を特定地域と表現しております。

地球温暖化の影響
自生地の環境
タベブイアアベラネダエの内部樹皮
樹皮を剥がして茶褐色の内部樹皮を確認

原木の切り口
タベブイア・アベラネダエの切り口。外皮の内側のわずかな部分だけが原料となります。

高品質のタベブイア・アベラネダエ「タヒボ」のみを厳選

 タベブイア・アベラネダエは通称タヒボと呼ばれ、高さ30m、幹は直径1.5mに達する木もありますが、普通は径50cm内外で直立しています。水に浮かないほどの重量があり、木質部は堅くて重く、時にはチェーンソーでも刃の立たないこともあります。根は深く張り、激しい嵐にも倒されることはありません。
  とても大きく強い樹ですが、原料として使用されるのは原木の外皮と木質部にはさまれた僅か7mm程の内部樹皮(靱皮部)のみです。
タヒボ茶として販売されるタベブイア・アベラネダエの内部樹皮のなかにも黄色味をおびたもの、白っぽいものなど様々な色がありますが、赤味がかった茶褐色のものが高品質とされます。
「タヒボNFD」の原料になる原木は、ブラジル国内サンパウロ市近郊にある薬用植物研究所(タヒボ研究所)の調査に基づく特定地域内で伐採され、しかも研究所スタッフによる事前サンプリング分析によって、樹齢30年以上の自然生育木で赤味がかった茶褐色の内部樹皮を持ち、更に有用成分の含有量がタヒボジャパン社の基準値を満たす原木に限られます。
タヒボ原木は人工栽培が不可能ため非常に貴重な天然資源であります。この貴重な天然資源を保護するため、タベブイア・アベラネダエの原木伐採はブラジル政府の管理のもとで行われます。
タヒボの人工栽培



タヒボの赤紫色の花
タベブイア・アベラネダエ(タヒボ)の赤紫色の花とブラジルの国の木である黄色イペ
花の色で違うタヒボの組成

 タベブイア属の植物には別名、イペー、イッピ、パウダルコ、ウーバと呼ばれ、それらの中には黄色、白、ピンク、紅、紫、橙色の花を咲かせるものがあります。中でもイペー・ロッショと呼ばれる紫色に分類される樹木の種類が一番多く、50種類以上も存在します。それらは全て人間の体に役立つものなのですが、特に赤紫色の花を咲かせる木が多くの有用成分を含んでいます。「タヒボNFD」はこの赤紫色の花を咲かせる樹木の樹皮から原料を採取します。人工的に栽培されいる黄色い花を咲かせる木と紫の花を咲かせる木の外見上の違いを参考までに表にまとめてみました。
(サンパウロ州カンピーナス農業院の農学博士エルメス・モレイラ氏によって考案)
タベブイア属の樹木


黄色い花をつけるもの 明白な樹皮がない(やわらかい)
  • 小葉の表裏両面ともさわるとざらざらした感じであり、葉の縁はまっすぐである。
  • 小葉の幅が狭く、楕円形であり、表裏両面がすべすべで、上面は光沢がある。葉の縁はまっすぐである。
  • 小葉は革のように丈夫で固い。
明白な樹皮がある(隆起が見られる)
  • 小葉は幅が広く卵形で、表裏両面がすべすべで、小葉の縁はぎざぎざ。
  • 小葉は倒卵形で、鋭先形または先端が丸く少しへこんだ軍配型。小葉の縁はややぎざぎざ。 表面はすべすべで、裏面はさわると多少ざらざら。
  • 小葉は幅が広く楕円形であり、革のように丈夫である 葉の先端は丸くて少しへこんだ軍配型で、葉の縁はまっすぐ。
六枚以上の楕円形の小掌状葉
  • 六枚以上の楕円形または幅の広い小葉をもつ掌状葉。小葉の縁はぎざぎざであり裏面は白い。

赤紫色の花をつけるもの ほとんどの葉が五枚の小葉をもつ掌状葉
  • 小葉が楕円形で細長く、縁はぎざぎざ。
    • 大木
    • 小さい木またはかん木
  • 小葉が幅が広く楕円形で縁はまっすぐ。
    • 花の数が少なくて大型である。
ほとんどの葉が六枚から七枚まで小葉を持つ掌状葉
  • 小葉が楕円形で細長く、縁はぎざぎざる。
小葉三枚からなる葉
  • 葉は楕円形で細長い三枚の小葉からなり、小葉はさわるとざらざらで、縁はまっすぐである。

紫イペーと混同されるタヒボ

紫色の花を付けタヒボの樹と混同されているタベブイア属の植物には次のものがあります。

タベブイア・ヘプタフィラ(Tabebuia heptaphylla)

ブラジルで紫イペーと言えば一般的にこの植物をさします。ブラジル全土に自生しています。樹高は16〜20メートル、花色は紅紫色で密につけ、花冠の長さは7〜8メートルです。観賞用として好まれています。

タベブイア・インペティジノーザ(Tabebuia impetiginosa)

南米大陸の中東部から南部にかけて広く分布し、アルゼンチンに多く見られます。やはり山中に自生していますが、観賞用としても広く栽培されています。樹高はやや高く10〜20メートルで大輪の花をつけ花冠の長さは12〜14センチです。ばら色から紫紅色まで色々な濃さの花をつけ、ピンク色のものをイペー・ローザ(Ipe Rosa)、紫紺色のものはイペーロショと呼ばれています。パウデアルコ、ペ・ウーバなどの呼び名も持ち、タヒボと間違われやすい植物です。

インペティジノーザ・パウレンシス(T.impetiginosa var.paulensis)

インペティジノーザの変種で、樹高は3〜6mの亜高木。サンパウロ周辺の海岸山脈地帯に分布し、観賞用として広く栽培されています。花色は紅紫色、花はやや小振りで粗につけ、庭木として好まれています。

樹木の樹皮について

形成

樹皮の形成 一般的に温帯では植物が活動を始める春が訪れると、前の世代の茎に、もう一つの木部の層をつけくわえるために新芽は作業を開始し、根を利用して地面から栄養素、水分を吸い上げるようになります。 そして共同で作られた樹液は樹皮と木部のあいだに送り込まれます。樹液は形成層で濃縮され、固まります。そして木部側に、前の年に作られた木部層の上に新しい層が少しずつつくられ、樹皮側に最初の靱皮部の内側に重なるように、新しい繊維の層が形成されます。この作業が終わると木部には内側にある古い部分のすぐ外側に、隙間なく新しい部分がつけ加わったことになり、同時に靱皮部にも、古い方を外側、新しい方を内側に繊維の薄い層が二枚作られます。アマゾンのような熱帯ではこの活動が絶え間なく行われ、タヒボの木も常に木質部、樹皮部ともに新しい層を形成し成長をします。
こうして毎年、樹皮にも木部にも新しい層が形成されます。ただし新しい層は、木部は外側、樹皮は内側というふうに、二つの部分の配置が逆向きになり、成長にしたがい、木部は新しい層で包まれ、中心は年をとり、周辺は若返ります。一方、樹皮は毎年、新しい薄い層を内側に付け加えられるため、内側が若返り、外側が年をとる。木部は幹の中心に、死んで硬くなった層を抱え込み、反対に樹皮は、古い層を外へ押しやります。押しやられた古い層は、ひび割れて、大きな鱗のようにぼろぼろと落ちてしまいます。このように、木の周辺部と中心部で、老衰が同時進行します。木部と樹皮の境界は、若い新しい世代を形成するため、生命が常に活動しているのです。


化学物質の工場

 昔から草根樹皮といわれるように私たちに有用な物質は草は根、樹木は皮の部分に多く含まれます。
一般的にさまざまな層から構成される皮の中でも内部樹皮(靱皮部)はもっとも活発に活動する部分で、中は樹液で常に潤っています。タヒボに含まれる有用成分もこの最も活動的な場所でつくられます。
根から吸い上げられた水分は葉まで行き、葉の中でそれぞれの樹木ごとの成分が大まかに準備され、枝から靱皮部の中へ送り込まれます。そしてその液体はそれぞれの樹木独特の新しい特性を得て、貯蔵されます。一般的に、作られ貯蔵された植物化学物質の量は温帯地域に生育する樹木よりも熱帯地域に生育する樹木の方が多くなります。
この樹木の靱皮部により作られ貯蔵された特別な物質は人間に有用なである場合が多く食品、医薬、工業製品など様々な分野で利用されます。
靱皮部が役に立つ樹木で、私たちの身近なところでは、食品の香り付けに使われ、強い芳香を持つシナモン(桂皮)を作る肉桂(ニッケイ)が挙げられます。
キナという樹木は熱帯地方で最も貴重なキニーネという物質を靱皮部のなかで調合します。
ナラやカシは内部樹皮でタンニンという物質を作ります。タンニンは口に入れると大変に苦いため、草食動物がそれらを食べることを諦めさせます。これが太古の昔、植物を恐竜から守ったという説もあります。しかし自然界においては一定量のタンニンを野生動物が内部寄生虫の対策として摂取することが観察されています。タンニンはタンパク質を固めて収斂させるため、消化の大敵であるため通常哺乳類から嫌われるが、「この収斂は腸内のタンパク質から成る寄生虫を傷つけ、除去する働きがある」と最近の研究によって考えられるようになりました。タンニンには防腐効果があるため動物の皮加工時に使われます。頭痛や発熱時にお世話になるアスピリンの元となったサルチル酸は柳由来の成分で、柳の学名(Salix)に由来します。

樹木が持つ力